子どもの成長は早い。
2回言う程に、しみじみと感じる。
一歳半になる娘は、いつの間にか走れるようになっているし、簡単な単語なら直ぐ喋れるようになっている。
(いつの間にかとは言っているけど、多少なりとも育児はやっていると思う。文字じゃ伝わりにくいニュアンスだから、誤解の無いように伝えると、いつの間にかっていうのは成長が早いことを表現する為に使った、そういう事。)
そんな成長を感じた話。
職場からスーパーへ
その日は仕事終わりに、スーパーで買い物をして帰った。
色々買うものがあるとついつい忘れるので、しっかりメモをしている。(えらい)
牛乳…パン…ヨーグルト…卵…
しっかりチェックして購入。
この時に一緒にビールを買うと、妻に御小言を頂かずスムーズに冷蔵庫に直すことが出来る。
地味にライフハック。
カルマを貯めることなく、ビールを購入出来るのでオススメ。
レジを通り、使い込んでいるお買い物袋に今日の戦利品を詰め込む。
ここは重要なのだが、ここでレジ袋なんて貰うやつはニワカである。
奥様連中の真っ只中、ただでさえスーツ姿な男が、クレジットカードで決済するのだ。ビニール袋なんてもらってみろ、「あら、奥様のお遣いなのね、微笑ましいわ」などとマウントを取られること請け合いである。ここで颯爽と使い古したお買い物袋を取り出し、マダムとレジの店員さんを黙らせよう。俺は俺の意思で買い物に来ているのだ。
さぁ、買い物が済んだら家に帰ろう。
帰宅
仕事も終わり、買い物も済んだ。先に帰宅して子どもの面倒を見てくれている妻も、お疲れ様と快く労ってくれるに違いない。
玄関を開けるなり、ドタドタと娘が近づいて来る音がする。あぁ、お迎えに来てくれる。この瞬間の為に俺は頑張っているのだ。
「ただいま〜! 帰ったよ〜」
ニコニコしながら近づく娘に両手を伸ばす。
娘も私の期待に呼応するかの様に、胸へダイブしてくる…かと思いきや、滑らかなスウェーの動きで腕を掻い潜り、「パン!パン!」と肩に下げていた買い物袋からパンを奪っていった。
今日はパンの勝ち。
今日はパンの勝ちなのである。
部屋着に着替えて、娘を見ると既にパンを半分食べ終えている。ニコニコして食べている。
かわいいね〜
そう、父は道化なのである。
褒められなくても、笑顔が見れればそれで良いのだ。
それで良い。
夕食の後は、娘を風呂に入れ、一緒に寝た後にこっそり起きてビールを飲む。
今日の疲労感や充足感など、様々な感情を全てビールと一緒に胃に流し込み、今日はお終い。
明日もあるのだ。寝よう。
もぞもぞと布団に入り既に熟睡している娘と妻の横で目を瞑り、ふと思う。
スウェー出来るようなってたな。
子どもの成長は早い。