明日はもっと良い日になるよね 公太朗

人生の備忘録をつらつらと…

本当につらい日焼けの話

気が付けば梅雨も止んだ7月の終わり。

外を見ると太陽も良い感じでジリジリと照りつけている。空が高い。夏だ。

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昨年からコロナ禍でろくに外出もしておらず、職場の窓から見る眩しい青空と入道雲を見ては

 

「今年の夏は何かしなければ…」

 

と悶々としていた。

 

元々色白の私は、夏は海で肌を焼くことで、年間の肌色を調節してきた。もうまる2年海には行っていない。鏡越しの自分の顔は、気が付けば白を通り越して青白くなっていた。

 

「海に行かねば」

 

私は小麦色の肌を手に入れるため、近場の海へ行くことを決めた。

 

 

 

海に行く

 

決まれば早い。

子どもも1歳になったことだし問題ない。泳ぎの英才教育だ、と妻と3人で近場の海へ向かう。

 

今回目指す海は自宅から1時間半程で着く、小さなビーチ。お世辞にも海の色は綺麗とは言えないが、海の家もしっかり完備しており、コインシャワーも充実している。

学生時代に海ほたるを見に夜中のドライブに来たことはあるが、実は昼に来るのは初めてだったりする。

 

早朝から準備を行い、10時過ぎには目的地へ到着した。

 

ワクワクしながら駐車場の入り口に近づくと、ビーチパラソルの下でイスに座りながらダベっていた女性が話しかけてくる。

 

「500円」

 

こんなビーチで…

と思いながらも、そんな気持ちはつゆも見せず営業スマイルで硬貨を1枚渡す。

女性は無愛想な返事で領収書を渡してきた。

領収書をダッシュボードに放りながらふと考える。

 

前々から思っている事がある。

このおばちゃん達は何なんだろうか。雇われなのか、それとも地主だろうか。どこにでもいるこの手のおばちゃんの無愛想さには慣れているが、もっと愛想良く出来ないのかと問い詰めたい。一回マックのバイトでもして、付け焼き刃の営業スマイルを学んできて欲しい。そのくらいのサービスを求めるのはおかしいだろうか。せめてこのくらいは言わせて欲しい。こんなビーチの駐車場に500円も払うのだから。

 

 

 

ビーチについた

 

まずはテントを張る。

持ってきたものはポップアップテントだ。広げるだけで設置完了。何と便利。

 

次は浮き輪を膨らませよう。

 

 

空気入れを忘れた。

 

 

浮き輪のサイズは直径1.2m位だろうか、結構大きめのサイズだ。

無いものは仕方ない。空気口に口をつけ、呼気で膨らませてゆく。

 

酸欠になりながらも早く海に入りたいので必死に膨らます。初めこそ順調に膨らんでいくが、中盤からはサイズの変化もあまり無い為、膨らんでいるのかわからなくなる。暖簾に腕押し、糠に釘、成果が見えないのはこんなにも辛いのか。この時間が無限に続くのでは無いか、そんな気にすらなる。焦り過ぎて、目の前に海があるのに遠くなった気がした。近付いても絶対に接しない漸近線の気持ちが分かった気がした。

 

 

漸近線に気持ちなんてあるはずがない。

酸素が足りないとアホなことを考えるのだ。

 

 

そんな手痛いタイムロスであったが何とか浮き輪は膨らんだ。

 

 

 

さぁおまちかね、海へ!

 

と言いたいが、ここは一旦落ち着いて肌を焼く。

ゆっくりといこうじゃないか。

 

先程膨らませた浮き輪をベッドにして、ビーチで仰向けに寝る。

 

日焼け止めは塗らない、何故なら焼きたいから。

 

普段蛍光灯の光しか浴びない青白い肌に、ギラギラと照り付ける太陽の紫外線が刺さる。

 

そこらへんのレフ板よりは私の肌の方が光の反射率が高い。もしかしたら綺麗に写真が撮れる映えスポットとして女性が寄ってくるかもしれない。可能性はゼロじゃない。

 

2年振りの日焼け。気持ちがこもっている分、しっかりと焼く。何か嫌な予感はしながらもジリジリと焼く。

 

 

ある程度満足したところで、やっと海に入る。

 

やっぱり海はあまり綺麗じゃなかった。

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言及してないが、今回のメインは1歳になった娘の海初デビューである。

書いてないだけで、ちゃんとご飯を食べさせたり、着替えさせたりお世話はしているので安心して欲しい。

 

そもそも前提として、赤ちゃんに日焼けは禁物であるので、帽子をしっかり被らせ、海の時間もコンパクトにする。…予定である。

 

 

娘の海デビューは華々しかった。

赤ちゃん用の浮き輪をつけているとはいえ、ちゃんと泳いでいた。ありえない、天才かもしれない。

 

小学生時代に平泳ぎが全く出来ず、居残りをさせられた私とは違う。

 

 

予想以上の成果に興奮してしまい、予定の時間より多めに海にいた。

 

 

 

帰ろう

 

大変満足した私達は、帰ることにした。

 

シャワーを浴びて車に乗ってやっと気付く。

肩や、背中にとても熱を感じる。

 

イヤな予感。

以前、海で遊び過ぎてとんでもなく酷い日焼けになった事を思い出した。体温調節が出来なくなり、何日もヒリヒリが続いてフラフラしたり、極め付けは肩から背中にかけてシミが沢山出来た。

 

あんな思いは二度とするまい、と思っていたが、興奮した私はすっかりその事を忘れていた。海には魔物がいる…

 

はっ、とチャイルドシートの娘を見る。

 

私程では無いが、少し焼けている。

すまない…!私か不甲斐ないばっかりに…

 

娘は大丈夫そうだが、私はどうやら無事では済まなそうだ。

 

心配しても仕方ないので、とりあえず楽しい思いでを胸に帰宅しよう。

 

 

 

終わりの始まり

 

その日の夜は、肌が真っ赤ではあったが、まぁ何とかなるだろうの気持ちで就寝した。

本当に真っ赤。

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2日目の夜、やはりこれは長引くかもしれないと感じた。

ヒリヒリする。とてもヒリヒリする。

風呂の温度を熱くしたら入れたもんじゃ無い!

 

 

3日目の夜。

水風呂に頭まで浸かり幹部を冷やす。

気持ちいい。

 

寝ようとするも、おかしい。寝付けない。

というかヒリヒリがすごいし、痛痒い。

寝ようとすると全身の皮膚からピキピキとなるような張りを感じる。そして、堪え切れない痛痒さ。寝付けるはずがない。

平日の夜であるが、2時間しか寝れなかった。

明日は寝不足だ。

 

 

4日目の夜。

そろそろ痛みも折り返す頃かな、と たかを括っていたが、間違い。

痛痒さが増している。肩や背中の血の動きを感じるような気がする程肌が敏感になっている。

肌を撫でるだけでもヒリヒリする。素肌に纏わりつくヒートテックインナーが憎い。

 

娘が無邪気に絡んできて、胸のあたりを爪で引っ掻く。

 

痛い!何ということ!

とんでもないクリティカルダメージ。

 

会心の一撃

強すぎる一撃。

きっと娘は推奨レベル30とかのステージに、レベル40くらいまで上げて蹂躙するタイプだ。けしからん。

 

傷口に塩、泣面に蜂、弱り目に祟り目、何がこの状況にフィットするかな?なんてどうでもいい事を考えた。

 

しかし娘は悪くない。私の自己管理能力の低さが招いた事なのだ。甘んじて受け入れる。娘は可愛いのだ。

 

 

まただ。

昨日寝てないのに、また寝れない。

なんだかんだでヒリヒリ云々より、寝れないことの方がツラい。そもそも眠さを誤魔化す為に日記を書きはじめた。痛い。

 

明日は夏季休暇を取る予定だ。

皮膚科に行こう。

 

そう決めて、やる事がなくなり3時半に無理矢理就寝した。

 

 

5日目朝

昨日の夜検索した、1番近所の皮膚科に向かう予定。

行ったことはないので、Googleのレビューを見る。

 

 

評価 ⭐︎2.4

⚫︎診察早過ぎ、薬だけ貰うならココ

⚫︎椅子からチラリとみる医者、看護師は後ろで大あくび

⚫︎控えめに言ってクソヤブ

⚫︎二度と行きません、テキトー過ぎる

⚫︎なぜここに通院している人がいるのか謎

 

などと散々なコメントがあった。

 

元々レビュー等あまり当てにしない方だが流石に不安だ。

 

まぁモノは試し。怖いもの見たさでここに行く。

 

病院の外観とはうって変わって、内装は綺麗で、品のあるゴージャスな感じ。

受付も綺麗どころが集めてある。医院長…

 

診察開始の5分前には着いて待機していた。

9時になったと同時に、前に女性看護師がずらりと並び、診察開始の挨拶を始めた。

 

あれ?

ココそういう系?

緊張するぞ。

 

片田舎の病院で気を抜いていたせいか、ビクッとなる。サンダルで来たのが少し恥ずかしくなった。

 

 

結果、医院長の診察は普通。

スピーディーではあったが、元々せっかちな性分の私にはとてもやりやすかった。

 

やはりレビューなんて当てにならない。

 

 

 

そんなこんなで、帰宅。

貰った薬を身体に塗り終え、裸でうろつきながらこの文を書く。

 

 

最後に

 

ほんとに日焼けは懲り懲りだ。

 

間違うとデメリットが多過ぎる。

今後はちゃんと日焼け止め塗って、ラッシュガードを着ることにする。

 

考えれば、普通であることが幸せだったのだ。

平穏な日々に飽きて、スリルを求める人もいるだろう。

 

私もその一人だった。

外出不足から発生する、抑圧された欲求が結果的に身体を蝕んだということだ。

 

足るを知るということを理解できて良かった。

ポジティブに考えよう。

 

 

 

あぁ、早く普通に寝たい。

 

思えば日焼けに振り回された5日間だった。

 

もう疲れた…

 

日焼けは懲り懲りだ。

 

 

 

 

ちなみに、来週また海にいく予定だ。

 

 

海が呼んでるので。

 

アディオス。